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電気機関車EF62形式 [鉄道]

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【実車】ピンポイント設計。すなわち、アプト式だった碓氷峠を通常のレールと車輪だけに置き換え、通過列車の制限を緩和するため、上げ下ろし専用の補機であるEF63を設計、これと連結することを前提に信越本線に投入。軸配置は少しでも軽量化するため、EF65等に見られるB-B-Bの3台車ではなく、C-Cの2台車。出力2550kW、最高速度100km/h。1962年。結果、貨物列車は従来の360tから400tへ増加し、通過に要する時間もアプト時代の42分から登坂17分降坂24分に短縮した。しかしそれでも東海道の重貨物列車1200tの1/3に過ぎず、沿線各地向けの貨物以外は上越線や中央本線回りが主に使われたほか、旅客列車も電車化が進む時代であったため、62+63×2両の三重連の時代は20年ほどで終焉を迎えた。

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一方この頃、東海道・山陽の荷物列車に使われていたEF58の経年劣化が深刻化。荷物列車には乗務員向け暖房用に蒸気発生装置(SG:SteamGenerator)を搭載した機関車が必要だったが、ここで白羽の矢が立ったのが本機で、なんと極端な峠道から平坦高速の東海道・山陽筋へ一大コンバートが行われた。結果、全界磁39km/h・弱め界磁63km/hというトルク全振りの動力機構がまさかの全速運転。次々ぶっ壊れたそうだが修理対応、東京-下関を長駆上下した。しかし荷物列車の運転自体が消滅、JR化後は急行「能登」の牽引等で5両が残存したが、1997年の北陸新幹線長野開業、伴う碓氷峠区間の廃止で存在する意義が消滅、21世紀を待たず全車廃車された。

【模型】模型はKATO。トミックスがスプリングウォーム動力時代に模型化して持っていたが、フライホイール付きのコイツが出て乗り換え。ただ軽いので実車みたいな牽引力を想像すると裏切られる。

【運用】その「東海道荷物列車」が主たる役目なのだが、武蔵野線に入っていたとの想定で貨物列車も牽かせる。ただし、実際入っていたかどうかは検索しても出てこない。高崎までの短距離をロクゴなんかに牽かせるような効率の悪いことはしてなかったと思うが。


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電気機関車EF81形式 [鉄道]

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(標準型・トミックス)

【実車】日本の商用交流の周波数は東日本50Hz、西日本60Hzに別れているが、これは鉄道の交流電化にも影響を及ぼし、それぞれ専用の交流車を作り、融通が利かない状態であった。その後も異なる周波数での電化が進み、日本海縦貫線(北陸本線・信越本線・羽越本線・奥羽本線:関西~新潟~青森)は交流50/60Hz/直流の全ての電化方式を用いることとなり、これに対応した電気車の開発に迫られた。こうして1968年、海沿いを走ることへの塩害対策、北陸トンネルの連続勾配、冬の日本海側=耐寒耐雪の設備を盛り込んで落成したのが本形式である。定格出力直流2550kW・交流2370kW、最高速度110km/h。ちなみに「50Hzと60Hzで何が違うのか」という話だが、一般に同じ電力を食うなら50Hzの方が電流が増え、60Hzの方が変圧器の内部損失(ヒステリシス損という。説明しない)が多くなる。逆に言うと両方に対応するのはデカくなってコストが掛かる、程度で、専用の構成を取るほどでもない。本機も別にトランスや交流→直流変換を行うダイオードブリッジで、50と60で扱いや性能が異なるような記述は無い(日立評論1969年8月号)。こうして「万能機」として生まれた本機は以降、日本海縦貫線を中心に、交流直流の接続部を持つ常磐・東北・ステンレスのボディを輝かせて関門海峡などにあまねく投入され、旅客貨物の牽引に活躍した。JR貨物が平成になって以後追加で生産している。武蔵野線で色々引っ張る姿から、大阪でコンテナぶら下げてすっ飛んで行く姿、ギンギラギンの関門用など、方々で見ている。敦賀の奴は庇つけててゴツくてよろしい。

【模型】模型はKATO・トミックス。NゲージのEF81はトミックスが昭和50年代から生産していて、標準のローズピンクと銀色の300番台関門用が長く定番商品だったが、実物が「北斗星」「トワイライトエクスプレス」を牽くようになるとリニューアルされてバリエーション激増。土日鉄道には標準・400番(ピンクと色だが関門対応)・東北向けの赤2号・敦賀と在籍。貨物からブルトレまで牽いている。

【運用】必ず登場するのは武蔵野線モードと関西・北陸モード。400番台は「あさかぜ」牽引を担当し、他に「急行きたぐに」とか各種特急貨物など。


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電気機関車EF80形式 [鉄道]

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【実車】鉄道の電化はモータが直流であるため直流電化で進んだが、これは交流を直流へ変換する設備を線路沿いに作ることを必要とした。一方で列車本数が少ない場合は車両自体に交直変換設備を持たせた方がコスト・効率の面からも有利という分析がなされ、1960年代から交流による電化が始められた。すると当然直流側と交流側を直通する機関車・電車が必要となり、「交直両用」車両の開発が進められた。機関車においては試作開発を経て関門トンネル用(直流1500V/交流20000V60Hz)のEF30、そして常磐線向け(直流1500V/交流20000V50Hz)の本機が共に1962年から運転を開始した。基本的な構造は直流機関車で、交流区間ではトランスで電圧を下げ、直流に変換している。このため「直流機+交流区間用機器」という構成となり重くなることから、1つのモータで2つの車軸を駆動する1台車1モータ方式が採用されている。

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出力1950kW、最高速度100km/h。客車・貨車両用とされ、20系ブルートレイン「ゆうづる」の牽引は花形といえた。文字通り常磐線の「主」として活躍、貨物牽引においては武蔵野線界隈にも顔を出している。JR化前に後継EF81に置き換えられて廃車され、「碓氷鉄道文化むら」に63号機が保存・展示されている。武蔵野線で黒貨車引く姿を何度か見ている。

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【模型】模型はKATO。交直流機は「EF81さえあれば事足りる」中でよくぞ模型化といったところ。碍子が並ぶ物々しい屋根上、やや重苦しい台車回りなどノスタルジーそそられる出来映え。アーノルドカプラーの付け口がローマ水道の出口みたいだがまぁええわ。

【運用】基本的に武蔵野線モードで101系や他の国鉄機と共に貨物を引くが、415系とかかき集めて常磐線っぽくする時は旧客を牽かせる。


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205系

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(武蔵野線仕様)

【実車】201・203系は省エネ効果は大きいものの、この時代に電力制御用半導体を使った制御システムは著しく高価で、深刻な赤字を抱えていた国鉄は根を上げ、計画していた山手線用新型電車はコストダウンを図ることになった。そこで、従来の抵抗制御+直流直巻モータの構成はそのまま、弱め界磁回路に外部電源で動作する別回路を重畳させたのが「界磁添加励磁制御」(かいじてんかれいじせいぎょ)である。この機構の解説には、直流電動機の原理を説明し、模型やオモチャで一般的なマブチモータ等と異なる問題点(電機子反作用対策)を説明する必要があるので省略するが(おいおい)、磁力コントロール回路を別個に持つことで高速特性・電力回生能力を意図的に変化させられることが出来るようになった、と理解されたい。合わせて車体を軽量ステンレスにすることでボルスタレス台車を採用し、全体的に軽量化することで消費電力の軽減が図られた。この、ステンレス車体+ボルスタレス台車の構成は令和の現在日本の電車のスタンダードとなっている。なお、本系列は車体・台車・制御方式いずれも新型の組み合わせであるにもかかわらず、試作を行わず、しかも1984年に設計が開始され、翌85年1月には第1編成が登場するというスピードで生産された。山手線にまず投入されたため、「やまのてせんのでんしゃ」として顔を知られたが、以降首都圏では横浜線・南武線・相模線・埼京線・京葉線・武蔵野線に、大阪エリアでは京阪神緩行線の普通電車、そして阪和線にも投入された。21世紀以降は主戦場を離れた車両は短編成化されて地方へ回り、更に民鉄やインドネシアに渡った車両もある。令和の現在JR車は西日本で奈良に少し、あとは富士急とインドネシアである。通勤で横浜線を使っていたので良く乗った。ただ、何か記憶に残る特徴があるわけではない。
【模型】模型はKATO。武蔵野線仕様と横浜線仕様が在籍。モータの起動電圧が高く、回転数は控えめ。

【運用】武蔵野線仕様は101系103系と共に。横浜線仕様は根岸線の連中と一緒に走る。


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電気機関車EF200形式 [鉄道]

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【実車】長大編成をぶら下げて関ヶ原を駆け上がるためにJR貨物が発足後最初に自社で設計製作した強力機関車。当代最新のVVVFインバータ制御でEF66のざっくり1.5倍の6000kWを得て1990年に登場。しかし。
消費電力が大きすぎて変電所が対応できないというお粗末な状況に陥り、最高出力を発揮できないまま余生を過ごすこととなった悲運の機関車。製造は21両で打ち切られ、以降は別掲EF210形を製作。

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以降、最も重量の大きな1300t列車を牽引し、東海道・山陽筋を東上西下。令和となりEF210が充分に生産されたこと、30年を経て各種電気部品が手に入らなくなってきたことから順次廃車。使命を全うした。試作機の901号機が生まれ故郷の日立製作所で保存、10号機がJR貨物広島に置きっぱなしになっているが、どうするのかな?名古屋駅で新幹線を待っているとコキ100ひっさげて颯爽と走って行く姿をよく見た。ただ、駅を通過中なのでたいていノッチオフの惰走状態だから「音」的にはイマイチ。

【模型】模型はKATO。1度リニューアルされている。ごん太の部材で組まれた足回りなどスマートな造形ながら力強さがあってよろしい。フライホイールがでかいので引き出し・停止などミリ単位でコントロールできる。このくらいの性能がスタンダードであってほしい。

【運用】コキ100またはタキ1000ぶら下げてちょくちょく走る。ウチじゃいつまでも主役よ。


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電気機関車EF65形式 [鉄道]

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(0番台・主として貨物用)

【実車】ED60を嚆矢とする新型電気機関車の決定版として1965年に登場。平坦線区間の主力として直ちに大量生産に移され、308両が製造された。貨物を主眼としたが、20系ブルートレインや10000系特急貨物牽引用500番台、客貨両用の1000番台などバリエーションがある。

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(500番台F・高速貨物用だが代打で客車牽引あり)

能力的には共通で2550kW・運転最高速度110km/h。特に東京発ブルートレイン用である500番台の通称P型(passengerのP)や、この後継でPS22パンタを搭載した1000番台は、ヘッドマーク掲げた姿りりしく高い人気を誇った。ただ、旅客機としては専用チューニングされている別掲EF58と比較すると

ゴハチ:定格速度(全界磁)68.0 km/h(弱界磁)87.0 km/h

ロクゴ:定格速度(全界磁)45.0 km/h(弱界磁)72.0 km/h

と、低く、要するに一定速でぶっ飛ばすには微妙に力不足で、頻繁なノッチ操作を要求することになり、ブルトレ運転士からの評判はイマイチ鈍かったとか。ともあれ、黒磯・高崎から下関、四国高松まで各種列車を牽引して活躍、1988年のオリエント急行編成が来日した折には、主力として牽引している。令和の現在500番台旅客用の1号機、「Pトップ」こと501号機が東日本に所属し高崎で動態保存状態。他は1000番台やその更新車で東日本・西日本・貨物が所有し、定期運用があるのは貨物機。ただし、いずれも後継の登場で風前の灯火である。幼少の頃から各番台各所で見てきたが、「銀河」で2回乗っている。東日本の機関士は9連口を棒引き出しでなめらかに走らせ、往年の「特急甲組」の意地と腕前を感じさせた。本来動力車のノッチは「スイッチ」ではないのだよ。

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(1000番台後期・客貨両用)

【模型】模型はKATO・トミックス。Nゲージ創生期から20系客車・万系貨車と共に模型化。中でもKATOの1000番台は「最も売れたNゲージ車両」なんだとか。土日鉄道にいるのは21世紀になってリニューアルされた車両でフライホイール付き。貨物用0番台をKATO、重連で万系を引く500番台貨物機(F型)をトミックス、1000番台後期仕様および「スーパーエクスプレスレインボー」カラーの計5機が所属。多い?ゴハチとパーイチとロクゴはバリエーションが多いから模型でも増えるんだよ。

【運用】貨物・「銀河」・「はやぶさ」・14系客車による波動輸送列車など都度都度選んで仕立てる。ただ、KATO機は軽くてブルトレ編成ぶら下げて八巻ループを上らないのでトミックスに変えるかも知れない。


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電気機関車EF66形式 [鉄道]

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【実車】時速100キロで走行する特急貨物列車が計画され、その牽引機として開発。実際には予定より遅れて、当初はこの写真背後に写っているEF65形500番台貨物用(通称F形)が重連でその任に当たった。1966年に試作機EF90形が登場し、68年より66形式が与えられ量産開始。F形としてはEF65の2550kWはもちろん、それまで最大出力を誇った別掲EH10をも上回る3900kWのパワーを得、大編成の特急貨物を連ねて勇躍牽引を開始した。

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転機が訪れたのは1985年。ブルートレイン「はやぶさ」にロビーカーを増結することとなり、それまでブルトレ牽引に当たっていたEF65ではキャパオーバー。本機がブルトレ牽引機に抜擢されたのである。四角四面箱形の大人しいデザインの国鉄機の中では異色のヨーロッパ風の顔立ちをしていた本機が花形列車の先頭に立つことで人気爆発。東京発ブルートレインの掉尾を飾ることとなった。JR化後に100番台が増備。令和の現在ブルトレ牽引は歴史の1ページとなり、国鉄形の姿をとどめた27号機も運用離脱、100番台機が残っているが、別掲EF210形の投入が進められており、鉄路を去る日も遠くない。11号機が大宮鉄道博物館で展示されている。幼時は武蔵野線で、以後も貨物列車にブルトレと「見かけるだけ」の機関車であったが、出張の折に晩年の「富士」に乗ったのは良い思い出。棒引き出しの全ブレを常用し、まるで電車のような乗り味。

【模型】模型はKATO・トミックス。NゲージのEF66は昭和の頃からKATOがコキ10000・レサ10000共々模型化しており、カッコイイこいつにブルトレを引かせたいヲタは模型で独自にしていたりしたが、上記の通り本当にブルトレ牽引に抜擢されるや市場は「瞬殺」。反動で発売ラッシュとなり、現在KATO、トミックス共にフライホイール付きの21世紀設計の製品が揃っている。土日鉄道で稼働中はKATOの0番台、ブルトレ用、トミックスブルトレ用の3両。KATO機は万系特急貨物がメイン。


【運用】ブルトレ「あさかぜ」「はやぶさ」万系コキの牽引がメインで、東海道・関西・武蔵野線モードで登場。


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