SSブログ

207系 [鉄道]

IMG_0143.jpg

【実車】鉄道車両の推進用電動機は長く直流モータが用いられてきた。これは特性が鉄道車両の運転形態にマッチしていたためだが、性能維持・更なる高速化に際しては以下の問題点があった。
・高速回転する電機子にコイルを巻く必要があり、バランスを精密に確保する必要があるほか、遠心力が加わるため回転速度に限界がある
・電機子に電流を流す摺動接点(ブラシ)が存在し、これの保守・交換が負担になるほか、ブラシを起点に火花が生じて短絡事故(フラッシュオーバ)を起こすことがある
この解消には回転子が単なるアルミの枠材で構成される「交流誘導電動機」を用いれば良いが、

img_top_02.png

(産業用三相誘導電動機・TMEIC)

この電動機はトルクを電流(電圧で決まる)によって、回転数(速度)は、与える交流の周波数でコントロールする必要があり、「任意の電圧・周波数の交流を生成する」仕組みを車輌に積む必要があった。最終的にこの仕組みはチョッパ制御の仕組みでも紹介した半導体スイッチ「サイリスタ」と、マイクロコンピュータ制御で実現され、可変電圧(Variable Voltage)可変周波数(Variable Frequency)逆変換(Inverter)装置…VVVFインバータとして実用化された。原理の理解には大学で電力制御理論・パワーエレクトロニクスの学習を要するが、簡単に説明すると、サイリスタ等で「プラスの電源に繋いだり、マイナスの電源に繋いだり」することで、モータに「ほぼ」交流を与える。これを3セット接続して三相交流を与える。

VVVF.jpg

VVVF2.jpg

(VVVFインバータ回路とその動作時波形の例・富士電機。ここで使用している半導体スイッチはIGBTである)

207系はJR社として初めて、量産車にこのVVVFインバータで三相誘導電動機を駆動するシステムを搭載し、1991年にデビューした。貫通路をオフセットしてみたり、腰掛けを深くするなどの居住性改善を行うと共に、最高速度120キロ、JR西日本「アーバンネットワーク」の直流電化区間ならどこでも走れる装備なども施された。2003年に製造は打ち切られ、後進の別掲321系に移行したが、2005年の福知山線尼崎脱線事故での廃車4両を除いて令和の現在も主力通勤車として運用されている。ロングシートの輸送力車両だが、そのシートはなるほど深い掛け心地で椅子としては悪くない。そしてそのくせ100キロ超まで加速して各駅に停車して行くのはこの地域ならでは。

【模型】模型はトミックス。1000番代。KATOからも予告されていたが、尼崎事故の時期と重なり沙汰止みになった。新型電車の範疇に入るので床下はスカスカ、車体も銀箱で凹凸は少なく、あまりこう、ディテールがどうこう述べるところはない。

【運用】JR時代アーバンネットワークモードで新快速や特急に抜かれながら走る。ウチは複々線には組んでないので駅で追い越し。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

●当社の概要
●沿革
●路線案内
●在籍車輛紹介
●掲示板
●YouTube