SSブログ

ヴェニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス [鉄道]

FF1OGRyaIAANmll.jpg

【実車】アガサ・クリスティで知られる別掲オリジナル「オリエント急行」の系譜を受け継ぐ「ダイレクト・オリエント」の運転は、1977年に終了したが、これに心を痛めた往年の栄華を知る篤志家が私財を投入、欧州のそこここで朽ち果てていたり、オークションにかけられた車両を買い集めレストア、各国の鉄道会社と契約して観光運転を開始した。そのうちの一つが海運会社「シー・コンテナーズ」を経営していたジェームズ・シャーウッドの手になる「ヴェニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス」(Venice Simplon-Orient-Express 略V.S.O.E)である。それは「当時の技術者に声を掛け、骨組みだけ残してほぼ作り直した」という大規模な内容で、マホガニーの内装、窓間の寄せ木細工などほぼ新品に蘇った。また、合わせて寝台車2両をスタッフサービス兼荷物車としたほか、食堂車はプルマン車を利用して3両連結、これに食堂車から独自に改造したバーサロン車を連結、いずれもコートダジュール・プルマン急行がまとっていた青と白のツートンに塗られた。

GBJvWonbcAAQsQk.jpg

この4両を編成中心に配し、両翼にLx、および2両のS型もくわえた寝台車群を連結し、17両の大編成で、パリからアルプスを抜けてヴェニス・サンタルチア。年に一度は当初の終着駅、イスタンブール・シルケジ駅へ顔を出す。なお、運転開始当初は、名前の通りクリスティの時代メインルートだったシンプロントンネル経由で運転されたが、風光明媚なアルプスを通らず全長20キロ超のトンネルを長々通るのも……ということで、「アールベルク・オリエント急行」をモチーフにブレンナー峠越えのルートに変更された。世界屈指の風景の中を世界屈指の列車が、1920代「アール・デコ」様式をまとった青きプリマドンナが、最新のパワーエレクトロニクスを搭載した強力機関車に引かれて疾走している。日本からも普通に列車としてブッキング可能。パリ=ヴェニス間の利用で所要17時間日本円にして30万円くらい。1982年の運転開始だからレストア後だけでも既に相当な車齢だが、160キロ対応の高速台車を履かせてもらって元気でピカピカである。

FF08LTUaIAAbYkx.jpg

【模型】模型はアーノルトとKATOの混成。バーサロン3674とプルマン改造食堂車4110はアーノルト、他はKATO「オリエントエクスプレス’88。パリ~香港」のセットからパチッたもの。要するにもう一つの復古編成「N.I.O.E.」の流用である。

【運用】実車17輛はあまりに長く、機関車の能力も勘案して半分以下の8両にしてある。機関車取っ替え引っ換えしてパリからヴェニスを目指す。

GBJvqz_a8AAvCy0.jpg

【改造】アーノルト車は構造自体は1970年代のリバロッシ製と変わらないので、台車にフライシュマン製の集電板を取り付け、アルミの細線、アルミテープで通電・電極を形成し、トミックスの照明ユニットを組み込んである。KATO製にも当然仕込んで保守本流「夜を走るオリエント急行」に仕上がった。なお、4110と3674の間はカプラー開放事故が多発したため、NEMソケットを生かしてフライシュマンのプロフィカプラ(PROFI-coupling)に変えてある。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

●当社の概要
●沿革
●路線案内
●在籍車輛紹介
●掲示板
●YouTube