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201系 [鉄道]

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【実車】鉄道車両の推進用に長く使われてきた「直流直巻電動機」(ちょくりゅうちょくまきでんどうき)は、低回転で大きなトルク(回転力)を発揮し、重い車輌の動き始めを円滑にするほか、界磁(かいじ)

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(Nゲージ用だとこの永久磁石部分)


の強さを変える(一般に界磁の発揮する磁力を弱める「弱め界磁」にする)ことで、回転数を上げ、高速運転が容易になるなど、鉄道車両の運転に適した特性を持つ。しかし、起動時には徐々に電圧を与えないと大電流が流れて破損するため、この電圧の制御に「抵抗器をつなぎ替える」という仕組みを用いていた。これはオームの法則(電圧=抵抗×電流)を用いたものであるが、抵抗を流れる電流はこれまたオームの法則(電力=電流×電圧)に従い抵抗器で熱となって消費されるため、電力が無駄になるほか、抵抗器がアチチになるので、冷却するための別の仕組みが必要になるなど、厄介も多かった。

この解決として「スイッチを高速でオンオフし、オンしている割合を増やしたり減らしたりすれば、長い目で見た(平均)電圧が変えられるんじゃね?」という発想が生まれ、電流を高速で入れたり切ったり(チョップ・chop)することから、チョッパ(chopper)制御と呼ばれるようになった。しかし、機械的なスイッチで大電力モータをオンオフするのは難しく、実際に使えるようになるのは1956年、半導体スイッチである「サイリスタ」の開発による。

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(サイリスタの例。三菱電機。この円盤の中に入っている。直径18センチ)


これを用いた「サイリスタ・チョッパ制御」は1960年代から開発が始まり、民鉄では阪神「ジェットカー」5001形や、営団(→東京メトロ)6000系で実用化。国鉄では遅ればせながら本系列201系でようやく本採用となり1978年に登場した。これ以降、鉄道車両の推進装置は大電力半導体とコンピュータ制御(パワーエレクトロニクス)の時代となる。……つまりお子様ファン向けの説明が実に難しい。なおついでに書いておくと201系はそのチョッパ回路をブレーキ時「昇圧モード」で動作させ、電力回生ブレーキを機能させる。このため、起動・力行時、制動・回生時共にチョッパ回路が動作し、電流がぶった切られることに伴う「びー」という音が床下から聞こえる。
さて201系はこのように初めてチョッパ制御を採用し、「省エネ電車」を標榜し、それが特徴なのだが、前面デザインの刷新、通勤電車として初めて空気バネ台車・冷房の標準装備、体格向上に合わせた座席の変更など居住性の改善も図られた点が大きい。ただしサイリスタなど半導体部品・回路価格を原因とする車両コストの上昇は、当時慢性的赤字だった国鉄には荷が重く、チョッパ車は中央・総武線、大阪地区、派生車種で地下鉄乗り入れ用203系にとどまった。八王子住みでいくらでも乗る機会はあったが、京王派なので東京駅に用があるときくらいしか乗らなかった。しかも京王は「エアサス・冷房付き」当たり前だったから、チョッパの「び~」以外はあまり印象は残ってないな。令和になりそもそも直流モータの出番ではなく、JR西日本にわずかな両数が残るのみである。
【模型】201系のNゲージは実物登場直後にKATOとエンドウが2丁パンタの試作車を模型化。エンドウは金属製であった。量産車の模型は実に21世紀になってからでKATOから発売、土日鉄道はこのうちの総武・中央緩行線仕様の黄色い10連である。

【運用】元々、土日鉄道は通勤型による各駅停車、近郊型による快速電車、特急急行という3種類の種別で運行の予定だったが、通勤電車って「華」がないのよね。ずっと走らせてるのと飽きるのよw。そこで普通列車は近郊型に担当させることにしたため、この子の起用は「千葉モード」の時のみ。

【改造】勾配対策で動力車3ゴム化の上鉛板で加重。また、4+6連だが、動力車の位置を編成中央にするべく分割位置を変更(土日鉄道オリジナル)。また、トミックスの「常点灯」って「チョッパ制御」そのものであるため、現物の「びー」音を再現するべくトミックスのパワーユニットに小細工したのがこの動画。


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