SSブログ

特別急行「つばめ」青大将(EF58形電気機関車+スハ44系等客車) [鉄道]

TSUBAME_Elaphe_climacophora.jpg

【実車】1956年11月19日。東海道本線の全線電化が完成し、東京-大阪間特急「つばめ」「はと」もこの日から全区間電気機関車による運転に切り替わった。ところが、ホームで待つ人々の前に現れたのは、前日までの茶色い客車群から一変、機関車もろとも淡いエメラルドグリーンに塗られた誰も見たことのない列車であった。この塗り替えは極秘に進められ、同日サプライズとして披露され、それは大きな驚きを持って迎えられたという。これは、元々客車が茶色いのはSLの煤煙が付着しても汚れが目立たないように、という側面があったのだが、電化してSLがいなくなったので汚れない、というアピールもあったようである。

TSUBAME_Elaphe_climacophora_all.jpg

かくして緑一色になった編成は、流線型の機関車を先頭にうねうね走るその姿から「青大将」とあだ名され、その色鮮やかな姿で誇らしく東上西下した。なお、展望車は常に最後尾に持ってくる必要性から、東京・大阪両エリアで、到着した列車をまるごと前後逆転するという作業が毎日2回ずつ行われた。東京の場合は品川から今の横須賀線武蔵小杉→バックして埼京線大崎→品川の三角形の線路で、大阪では宮原操車場(→宮原総合運転所)の出入り線がデルタ線であることを生かしてこの作業を実施した。ただし、その華やかな時代は短く、4年後の1960年6月、別記151系特急電車に置き換えられ、一等展望車を殿に備えた伝統的な「特別急行」は、一等車という存在もろとも、栄光の伝説へと変わったのである。

TSUBAME_Elaphe_climacophora_end.jpg

【模型】模型はKATO。元々この客車群は茶色・青大将とも昭和50年代からあった。21世紀になってリニューアルされ、展望車もテールライト点灯となり、土日鉄道にも配属された。なお、購入したセット名は「はと」だったが、固定レイアウト作成に際してヘッド・テールマークを変更し「つばめ」で運用している。

FIlSllEaMAQJmbZ.jpg

電気機関車EF58。スペック等は別記を参照。窓枠上の「庇」は元々上越線でトンネルにぶら下がる「氷柱」をカットする目的で付いている。東海道に回って青大将にされたことで屈強な特急牽引機のイメージを獲得。

FIgPPKcacAw1lx3.jpg

三等座席・荷物合造車オハニ35形式。写真右側に上記EF58を連結した。荷物室は旅客の手荷物を積み込むもので、飛行機で客室に持ち込まず預ける荷物(スルーバゲッジ)と同じ扱い。所定の料金を払って依頼する。この種のサービスは宅配便の発達で滅亡するのだが、令和の新幹線で車端部のスペースにお金取って大荷物を置けるせこいことを始めている。

FIgQZULaUAM-T_I.jpg

三等座席車スハ44形式。別記座席車スハ43系列に属し、座席を一方向(写真右向き)に固定した2人掛けシートがピッチ835mmで並ぶ。「リクライニングしない、向きも変わらない新幹線普通車のシート」と書けば良いか。向きに関しては前述のように列車ごとひっくり返すので問題にはならない。シートの背後にテーブルを備える。なお、オハニ35も客室は同様である。

FIgTM5FaQAErprY.jpg

特別二等座席車スロ54形式。「特別」というのはリクライニングシートを装備しているため。戦後進駐軍に兵士乗車用にリクライニングシート車両を作れと言われた際、一等車にすべきという日本側と二等車にしろという進駐軍の意見が対立、中を取って「特別」二等車になったという経緯がある。特別な「ロ」車で「とくろ」である。シートピッチは1160mmでこれは現在のグリーン車と同一。照明は当初から蛍光灯だが、青大将時代に冷房が搭載されることはなかった。列車12両編成中5両が本形式である。なお、途中から青大将とくろとして10系客車に属するナロ10も戦列に加わっている。

FIgWCF0aIAQjuTw.jpg

食堂車オシ17。元々「つばめ」「はと」が連結していた食堂車はマシ35等であったが、途中から10系客車で定員の多いオシ17が戦列に加わった。この時代、冷房は下記1等車と食堂車にしか設置されておらず(二等車ですらもない!)、それもあって常に混雑していたとか。冷房は自車用発電機で駆動する。

FIgbYO6aAAQbqJ5.jpg

FIgbYO3akAAM-ZP.jpg

そして常に殿を務めた一等展望座席車マイテ58形式。この時代、特急列車は文字通り「特別急行」で、この東海道「つばめ」「はと」しか運転されておらず、一等車もその特急にしかなかった。室内は写真の展望室側からソファの並ぶ展望ラウンジ、仕切り無しで一人がけシートが並び、その奥は3人用と6人用の個室、給仕室。給仕、すなわちスチュワーデス「つばめガール」「はとガール」が乗務しており接客をした。定員は展望席10名、座席・個室合わせて17名。当然、冷房付き。なお、外国からの団体観光客が利用する際には専用の一等座席車マイ38形が増結されたが、彼女らはこれも担当し、応じて英語能力を求められた。

江戸川乱歩の少年探偵団「明智小五郎」はこの車両から東京駅に降り立ち、物語は始まるのである。……ってここまで書かないと「一等車から降りてくる」一文が物語るステータスが令和の今は伝わらないだろう。

【運用】土日鉄道のステータストレインである。実物常用12両フルセットを所有。このほか上記増結用マイ38も所有するが編成が重くなるのでつなげることはまずない。

FIgLe1LakAMfr5u.jpg

そして青大将持つ者は「編成まるごと方向転換」する設備をレイアウトのどこかしらに所有する必要にせまられるのであるが、土日鉄道では春野宮・思沢両駅にリバースを設置している。それは青大将を動かさない場合無駄になりがちだが、春野宮では貨物駅に偽装し、思沢では夜行列車のヒルネ場所を兼ねているので、埃かぶってるようなことはない。

【改造】ゴハチは登坂力確保のため3ゴム化。ヘッドマークの片方は装飾品。客車は全車ホビーセンター謹製のスポーク車輪に変えてある。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

●当社の概要
●沿革
●路線案内
●在籍車輛紹介
●掲示板
●YouTube