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トミックスモータの短絡故障について [鉄道]

トミックスのフライホイール付きの中国製は良く壊れる。ファイル各位ご承知の通りで、自分も30個変えた。

何故か?

このモータは「永久磁石を使った固定界磁の別巻き電動機」に相当し、応じたガチなモータの論文を漁った結果。まぁ結果が判明した。

・ブラシの位置構造の設計不良である
・症状としては「ブラシのカーボン粉が電機子の整流子間に目詰まりし、短絡する
・大電流のパワーパック、或いは「保護が働かないギリギリの領域で使用すると発煙・発火の恐れがある 

危険なのでトミーテックに一筆申し上げる所存である。以下、概要を述べる。

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まず、トミックスの旧世代モータ「M-5」のほぼ丸コピであるマイクロエースのモータ分解を示す。上写真がブラシであり、下写真が電機子とそこに電流を与える整流子である。ブラシは左右がくっついてしまっているが、これはバネで強く押されている事による。

dcm1.jpg 

ブラシと電機子コイル電極の接触状態の模式図を示す。次にこれが時計回りに回転したものとする。すると、次のような現象が起きる。

dcm2.jpg

(引用:電験問題「発電機と電動機の原理(4)」) 

モータは「界磁の磁石が作った磁界の中でコイルが動く」構造。応じて「発電」する。逆起電力という。その電位は整流子に発生するが、この時、論文図の「幾何学的中性点」にブラシがあると、

起電力「+」の整流子~ブラシ~起電力「-」の整流子

の回路が形成され、要は短絡する。コイルの短絡は高い電圧を生じ、応じた熱エネルギでブラシカーボンが溶けて飛散する。飛散したカーボンは整流子の隙間に入り、整流子間に短絡電路が形成され、パワーパックの保護働いて止まってしまう。そこでその防止の一策として、回り出したらブラシの位置を変える、という方法がある。

イラストのモータを動かしてみる。時計回りに回ったと仮定する。

dcm3.jpg

すると整流子は摩擦でブラシを引っ張り、それぞれ矢印の方向に動き、 ブラシの接触位置がずれ、「電気的中性点」に移動する。こうして、逆起電力の短絡を防いでいる。

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 一方トミックスモータのブラシを見てみる。板バネを加工してブラシをはめ込み、整流子に当てている。

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ちなみにこれは短絡起こして止まったモノを「システムパワーユニット」という2A吐ける機械で無理矢理運転したモノ。のろのろと走り、異臭がして止まったので、開けたらブラシ(矢印)がぽろりと落ちた。このことは、「カーボンブラシ」が上記「中性点の追従」が出来ておらず、逆起電力のスパークでカーボン粉を大量生産した可能性が高い。

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ブラシの当て方を見る。四角いチップを板バネで当ててあるだけ。イラストで描くとこうなる。

dcm4.jpg

次のリスクを指摘出来る

・中性点移動に追従しない
・よしんば動こうとしても、回転方向の前に移動し、カーボンブラシの「角」に整流子が当たる可能性が増える

また、分解した整流子は四角形で、斜め直線状に摩耗している。このことは

ブラシが押されて時計回り方向に動く←→バネの反発が強くなって押し戻される

を繰り返した結果、平面上に削れたものと判断出来る。尚この時、ブラシの直角な角は、整流子の「縁」に引っかかりやすい。これもまた、カーボン粉を出す。カーボン粉は逃げ道がないのでこの部分に蓄積し、やがて整流子間を短絡して、ブラシ-整流子-カーボン-整流子-ブラシとなり、電子式のパワーパックでは即保護回路が働いて停止する。そして多くの場合、短絡カーボンはそのままなので、再起動しても短絡状態が保持され、動かない。

 一方、大電流の流せる制御装置であれば、短絡したまま流してどうにか低速回転するか、カーボン粉を焼き切って機能回復が可能である。ネットで「AC17Vを一瞬掛ければよい」という「回復法」を見た方もあろうが、これは焼き切るとともに、モータ自身に振動を発生させ、粉をふるい落とす効能もあると見られる。

【まとめ】

・トミックス製フライホイルモータのブラシは、電気的中性軸移動に追従する構造ではなく、逆起電力の短絡が常時生じているものと考えられる

・短絡の結果、ブラシのカーボン粉飛散が多く、応じて整流子間に入り込む確率が高く、ブラシ間短絡を起こしている

なお、大電流のパワーパックや、保護動作以下の微妙な電流では、「動かないが電流は流れ続ける」という発火の危険を伴う非常に危険な動作モードがあり得る(パーシーは焼いた、モハ474の動力はブラシ脱落した)。

設計不良であると判断する。

 【使用者の対応】

・「走らせっぱなしのまま忘れる」などがあるお子様の使用は危険である。制御装置の保護レベル以下では電流が流れ続ける。
・フライホイールはある程度、短絡からの離脱エネルギを与える。但し低速域など、その効果の期待できない場合も多く、根本解決手段では無い
・ブラシの摩擦移動と板バネのフック力により定まる共振点で回転した場合、ブラシの角を削るなど、カーボン粉の発生がより多くなり、短時間で短絡に至るパターンもある
・負荷が重い(長大編成・ライト装備)などの場合、逆起電力も大きくなるため、カーボン粉飛散も増え、応じて短絡を生じるまでの時間が短くなる(すぐ壊れた…は大抵これ。ウチの485系12連もまだ入線したばかりだが症状が出た)
・バネ圧が適正で温度に対しロバスト性があり、ブラシが円弧状に摩耗すれば、中性点追従性を獲得する可能性はある。但し殆どの場合、ユーザの使いこなしでその状況を獲得するのは困難である。
・可能性だけで言えば、電流が小さければ逆起電力も小さく、短絡も発生しづらいため、無負荷・低速で、前進・後進を同じ時間ずつ、長時間繰り返す「バーンイン」(慣らし運転どころじゃねぇ)を行えば、うまく行く。かも知れない。

以上。なお、ED75など大きなフライホイールを搭載した動力車では症状おきにくいと思うが、カーボン粉による短絡が生じたタイミングで止めた場合、同様に起動しない。

メーカの相談窓口に放り込んでおいた。

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これだけ「不良」「粗悪」書かれていて、なんで対応しないのか 

 【036】 モーターは何年もちますか?

これは大変に難しい質問ですね。
もちろん丁寧に扱わないと、モーターは早く痛みますが、保管状況や、 走らせる環境等いろいろな要素がからみますので、一概にどのくらいと お答えするのは難しいです。
サービスの方に修理が来るのは、早いものだと1ヶ月以内です。

113系(1981年)は30年持った。同じ使い方で1月は使い方の問題ではあるまい。余りに酷い。 


横須賀色の一族 [鉄道]

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ウチのスカ色はこれで全部。千葉モード113系。単純に欲しかった飯田線モードのモハ43とクハ47。山スカ組は中央線再現用。

湘南色が113系だけで33輛あるのに冷遇ったらありゃしないが、開通(模型開始)当初、スカ色の模型は113系しかなく、それを選ぶと一緒に走らせる車両はどうしても限られる。湘南色が素直な選択だったのだ。

p5030584.jpg 

それが千葉に住んで間近で黙々と働く彼らを見て欲しくなった。単純にはそれだけ。追って山スカな旧国どもが出てきて、381系「しなの」や165系、あるいは夜行の旧客「きそ」と並べられるかな、と追加。塩尻あたりにすれば飯田線組や80系電車がいてもいいしね。

 しかしオレが生まれる前の青大将だのマロネ40だの集めてニヤニヤしているように、電車というと銀箱にICカードかざして乗る世代がこういう国鉄型買ったりするのかねぇ。


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